資源をごみにしないために!
令和時代のリサイクル心得
令和が始まり、早いもので2ヶ月が過ぎようとしています。新元号の響きもかなり耳慣れてきたのではないでしょうか。
新しい時代が幕を開け、明るい未来へ期待が高まっている日本ですが、その中で神奈川県や大阪府が「プラごみゼロ宣言」をしたり、大手外食チェーンが使い捨てプラスチックストローを廃止する意向を示したりと、自治体、企業をはじめプラスチックごみへの取り組みが社会全体で高まっています。それもこれも海洋プラスチックごみが世界的な問題になっているからです。
ポイ捨てなどで海に入り込むプラスチックごみは年間少なくとも800万トンあり、すでに1億5千万トン分が流出していると推測されています。そして、こんな予測があるのを知っていますか?
「2050年、世界の海は魚の数よりもプラスチックごみの量が多くなる」
1億5千万トンという数字にピンとこなくても、こう聞くとこの問題がどれだけ恐ろしく、大変なことなのかが伝わってきませんか。また海に漂うプラスチックは、紫外線や波で劣化し、細かく砕けて5mm以下の「マイクロプラスチック」になります。これを魚が餌と間違えて食べてしまったら…その魚を人間が食べてしまったら…。いろいろな影響が懸念されています。
そんな中、気になったニュースがありました。清涼飲料水の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会がペットボトルの100%有効活用を目指し、啓発ステッカーを作成、という話です。自動販売機横に置かれているのは空容器(自販機専用)用のリサイクルボックスであると広く発信するための取り組みとのこと(※貼付けは首都圏と京阪神エリア限定)。じつはこのニュースを見て小さな衝撃を受けました。あのボックスは「空容器専用のごみ箱」ではなく、「リサイクルボックス」なのだと改めて気づかされたからです。ちなみに昨年都内で行われたリサイクルボックスの中身についての調査では、タバコの吸殻やライターなど異物が約31%も入っていたといいます。
自然の恩恵を受けて、今の豊かな社会は成り立っています。海だけではありません。気温の上昇だったり、大雨だったり、「最近、気候がおかしいな」と思うことがしばしばあります。これまで以上に環境問題は身近なものであり、取り組まなければならないテーマです。プラスチックごみを減らすには「プラスチックを使わない」もしくは「リサイクルしてごみにしない」の2つしか方法はありません。
今やリサイクルという言葉はすっかり日常に定着し、当たり前という考え方も多くあります。これからは、マナーや質の向上を求めて、一人ひとりがより意識を高めることが大切です。ポイ捨ては、もちろんマナーとして言語道断。そして啓発ステッカーに書かれているのは「混ぜればごみ 分ければ資源」という言葉です。異物混入はリサイクルを妨げる最大の要因になってしまいます。
美しい調和という意味が込められている令和。新しい時代は、自然、社会、人とのバランスのとれた、やさしい時代であってほしいものです。